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2016年7月28日

2016.07.28    「葡萄酒の国」

ライター
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スポーツの楽しさをお伝えするATHLEADブログ。

 

 

 
こんにちは、シェフ阿川です。

 

ワインと耳にすると、薄っぺらい軽薄なイメージを思い浮かべていました。
飲む人がではなく、飲み物その物のイメージですが、下戸の僕の思い込みが入ってます。
昔、御飯をライスと言われた時の物悲しさに似ているかと!

 

同じ訳語でも、地中海という言葉ほどの名訳語ではないですが、葡萄酒も相当に良い訳語だと思います。
葡萄酒と呼ばれれば、その響きからも官能を思わせる黄金色の肌、夕陽を照り返す地中海のきめ細やかで艶やかでいて放漫な女性などなど、言葉からだけでも深みのあるイメージが沸き立ちます。

 

はるか昔、ギリシア人はイタリアをオイノスの国という意味でエノートリアと呼んでいました。
と言っても南のマーニャ・グレチアと呼ばれていたギリシア植民地を指す名称でした。
カラーブリア地方のチロという地で産する葡萄酒は、当時の最高級品とされ、オリンピア競技の勝利者に供される栄光を持ち続けていました。

 

ローマ時代に入ると、反対にギリシア産のほうが珍重されるようになりました。
遠方から運んでくるものを好むのは今に至る外国製品好みに似た現象かと!

 

赤は室温で飲めといいますが、気温の低い北イタリア以北にしか当てはまりません。
気温、陽射しの強い、そのためにアルコール度数も高い地中海産の葡萄酒は、氷を入れてのオンザロックにしても充分に耐えられるそうです。

 

昔のマーニャ・グレチアは現代でもヨーロッパの酒蔵と呼ばれるほどの名産地で、知る人ぞ知る名酒が多い地帯です。

 

中世時代には、進入してきた蛮族達に畑は荒らされ放置されたままでしたが、少しずつ再興したのが、各地の修道院でした。
気長な事業ですが、中世唯一の組織体であった修道院でなければやり遂げられなかったかと。
それでも、修道士といえども献身的な気持ちだけではなく、美味しい葡萄酒が味わえるという楽しみがなければ出来ることではないでしょう。

 

まぁ、イタリアは坊さんさえこう現世的なのだからこの地でルネサンスは起こったのでしょう。
ギリシア、ローマの文芸を復興しただけでなく、あの時代の外国品好みまで復興したのだから面白い!

 

ギリシア産のマルヴァジア酒がバチカンだけでなく、ヨーロッパ中の宮廷で珍重された状態は今のシャンパンの占める地位と同じようです。
ベネツィア商人は、輸入だけでなくキプロス、クレタ島でも葡萄栽培を始め、その二ヶ所で出来た葡萄酒がルネサンス時代のブルゴーニュとボルドーでした。

 

16世紀のバチカンの記録では、フランス産の葡萄酒は主人方の飲む物ではなく使用人の飲む物、と酷評されています。
葡萄酒の嗜好はこのように時代に連れて変化してきました。
まぁ味の好みは千差万別で、フランス人、10人に聞いても最高の葡萄酒は一致しないでしょうしね!
マニュアル化する方が無茶❗️❗️

 

ある葡萄酒好きは、日本産は最も安いのが1番美味いと!
国産の葡萄を使わずに、地中海産のブレンド用の原酒を使っているから最も美味しいと!

 

真偽のほどは、オステリア242でお試しを(笑)