Athlead03
 
Athlead02
 
Athlead01
 

BLOG

2017年8月15日

2017.08.15    再び、真の美味しさ

ライター
<? echo $writer2->name; ?>
name; ?>

スポーツの楽しさをお伝えするATHLEADブログ。

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは、シェフの阿川です。

 

 

 

 

 

前回ブログで、トマトを取り上げてここ10年位で変化した食材の常識について書きましたが、やはり変わったのはそれを食べる環境ではないかと。

 

 

 

 

 

今回は、肉ブームが続いてる事もあり牛肉で話を進めてみようかと思います。

 

 

 

 

 

ブームと言うよりは、日常として肉食が常識になっているのでしょう。
欧米人曰く、日本人は魚臭い、もうその様な陰口は聞かれなくなりました。

 

 

 

 

 

元々、日本人の牛肉の嗜好ではサシが入って柔らかな肉質を好んでいました。
しかし、ここ数年の脂身の融点を下げる改良や柔らかさを追求する動きには、少しヒステリックな大衆心理を感じて違和感を覚えてしまいます。

 

 

 

 

 

それでも赤身を好む風潮もあり、肉そのものの真の美味しさや価値に気付いている日本人も多くいるのも事実でしょう。

 

 

 

 

 

低脂肪の赤身は体温も上がり、脂肪燃焼に良いともされてます。

 

 

 

 

 

赤身が美味しい肉は周りの脂身も実は美味しいです。
健康的にも良くないと思いつつも摘んで食べてしまいます。

 

 

 

 

 

さて、その肉を美味しく仕上げる調理法ですがステーキ、ローストビーフに限定して書いてみます。

 

 

 

 

 

メディアなどで、家庭で美味しく焼き上げる方法として色々な調理法が紹介されてますね。
炊飯器の保温を使ったり、フライパンでも低温から加熱したりと。

 

 

 

 

 

実は僕の知る限り、どれも理にかなっていて良い方法だと思います。
それぞれの家の調理器具や家電は同じメーカーでも同じではないので、炊飯器でも保温の温度が違って火が通り過ぎたりとかはあります。

 

 

 

 

 

焼き上がりに切れ目を入れると肉汁がたっぷり出てくる映像をよく見ますが、食レポの一環であり実際は、上手な焼き上がりではないです。
食べる時には肉から損なわれているから当然ですよね。

 

 

 

 

 

周りにしっかり焼き色をつけて、肉汁を閉じ込める壁を作るというのも勘違いです。

 

 

 

 

 

肉汁を少しでも損なわない焼き方は、焦げ目を付けずに低温だけで仕上げる事です。
ただし、それを美味しいと感じる人はいないでしょう。

 

 

 

 

 

しっかり焼き目焦げ目を付けるのは旨味の為です。
ヨーロッパでの基本は、肉を強火で炒めコンガリ焼き色を付け、肉の特性を引き出すと同時に素材の味わいを変化させて、より膨らませる。

 

 

 

 

 

工程で出来た鍋の焦げ付きも出汁やワインなどを加えてソースに仕上げます。

 

 

 

 

 

242でのローストビーフの話をしますと、液体ソミュール(塩、砂糖共に6%の水)と共にビニール袋で真空にして1日染み込ませ60℃で1時間湯煎にかけてます。

 

 

 

 

 

その後、周りの水分を拭いて強火で焼き色を付けます。
大体、芯温が65℃を越えるとタンパク質が凝固し出し肉汁が溢れてきます。

 

 

 

 

 

科学的に書いてますが、実際は弾力や鉄串を刺して温かさを肌で確認してます。

 

 

 

 

 

お店では旨味をプラスさせる為に一晩昆布で包んでいます。
イノシン酸にグルタミン酸を足している事になります。

 

 

 

 

 

ステーキを塊で焼く時は、先に強火で焼き色を付け、高温のオーブンで焼いては外で休ませを繰り返して、ロゼで肉汁も溢れ出ないよう仕上げていきます。

 

 

 

 

 

私自身、普段焼肉は食べずに、塊で焼き上げたり煮込みを出すお店に行きます。
そこで学ぶのは、焼き上げる為に時間を短縮する事はしない、という姿勢です。

 

 

 

 

 

炭火でも、鉄板焼きでも、馴染ませる為に火の弱い場所を作り寝かせて休ませてます。

 

 

 

 

 

焼肉でも最近、巨大な塊を店員さんが目の前で焼いてくれる演出があるようです。

 

 

 

 

 

切り分けてから更に炭火で炙って焼くのでしょう。
演出で喜ばせるのと真の美味しさの追求が不一致な例だと思います。

 

 

 

 

 

ただ、食事は料理の味だけでなく相手やシチュエーション、雰囲気でも楽しむ行いなので本当に楽しい時間を過ごせればそれで充分ではないかという思いもあります。
毎日ではテーマの健康から外れてしまいますが。

 

 

 

 

 

唸らせる料理はまだまだ、本当に美味しいモノを食べると笑いが起きる、誰かの言葉か忘れましたがそうなりたいものです。