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2017年1月26日

2017.01.26    ルビコン越え

ライター
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スポーツの楽しさをお伝えするATHLEADブログ。

 

 

 

 
こんにちは、シェフの阿川です。

 

 

 
西欧の出版界では、アイデアに困ると格言集を出して一息つく習慣があります。

 

 

 
格言集と題すれば、ちょっと気の利いたことを言って話の格を高める役に立つだろうと手に取る読者が少なくないということでしょう。

 

 

 
今回は僕もその手を使おうかと。笑

 

 

 
シェイクスピアのおかげで、ジュリアス・シーザーという英国風の呼び名が有名なユリウス・カエサルですが、コピーライターとしての才能もありそうな有名な文句が多々残っています。

 

 

 
元老院への戦勝の報告書での書き出しの「来た、見た、勝った」から始まり「賽は投げられた」「ブルータス、お前もか」などが有名ですね。

 

 

 
人生を賭けた大事業の途中で暗殺されたため、悲劇的で悲愴感あるイメージを持っている方も多いでしょうが、彼は逆境でも笑顔を絶やさず、頭脳明晰で立ち振る舞いも自信に溢れて見えたそうです。

 

 

 
武将兼政治家兼、文筆家であり、彼の文章により当時は方言でしかなかったラテン語が公用語として通用するまで洗練させたと言われてます。
というのも、2000年以上前の彼の報告書がそのまま本として出版され、現代まで続いています。
日本でも「ガリア戦記」として、本屋で手に入ります。

 

 

 
紀元前1世紀、領土拡大の一途にあったローマ共和国も本国の国境は中部イタリアのリミニ近くに流れるルビコン川でした。
この川を越えて入るためには、属州総督の任期を終えて、軍団を解散してからでないと国賊、反逆者になってしまいます。

 

 

 
彼は法を破って面白がる反体制主義者ではなかったので、ルビコン越えはよほどの熟慮を要したはずです。

 

 

 
しかも、その時のカエサルは大軍を率いていたわけではなく、首都ローマのポンペイウスを中心とした反カエサル体制は完成されつつあった時期でした。

 

 

 
過ぎていく一時一時が自分を不利に導くように見えたのでしょう。
彼はルビコンを渡ることに決めました。

 

 

 
ところが、ここがまた彼らしいところですが、決行にあたり事前の根回しなど一切せず、部下の将兵にはいつもと同じ様に昼を過ごさせた後、彼らを川岸に連れて行き、こう言ってます。

 

 

 
「ここを越えれば世界の破滅。しかし越えなければ我が身の破滅。賽は投げられた!」

 

 

 
世界の破滅とは、国家改造を目指すカエサルと、体制派との内乱を意味しています。

 

 

 
カエサルの言葉で、子飼いでもない第十三軍団の将兵達は、不安も不満も表さずに歓声と共に大挙してルビコンを渡っています。

 

 

 
しかし、我々が考える普通のリーダーならば「ここを越えなければローマを救うことは出来ない」とでも言って、越えなければ自分が破滅するなどとは言わないでしょう。

 

 

 
当然、彼の実績、名声の高さも影響していますが、有権者は政治家の華々しい言葉の裏の嘘は見抜くものです。
かえって正直に打ち明けられた場合の方が敏感に反応する場合があることを熟知していたのでしょう。

 

 

 
もちろん、嘘は言わないが彼も全てを伝えるわけではないのですが。

 

 

 
ルビコンを越えたら、彼はもう迷いを捨て得意の速攻により無血でイタリア半島を制圧しています。

 

 

 
リーダーの決断をルビコン越えと例えたりしていますが、決断後の行動に迷いを感じさせるか否かが成否を分ける要因なのかもしれません。

 

 

 

 
今回はこの辺で、また次回に。