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2015年8月30日

2015.08.30    ドイツ遠征 Vol.3

ライター
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スポーツの楽しさをお伝えするATHLEADブログ

今週はスポーツ業界最長老のヤギです。
今回も大豆戸FCドイツ遠征の続きになります。

ドイツのブンデスリーグ下部組織チームと試合を重ねる大豆戸FCが、ブンデスリーグ1部のマインツとの試合の際に感動のでき事はおきました。

日本でも有名なマインツとの試合に大豆戸FC全員を出してあげたいコウスケコーチは、前半から積極的に選手を交代させながら試合を進めると、後半残り15分頃にソウヤという選手に試合に出る準備をさせます。

試合のビデオを撮っていたヤギはその選手を見て「あれ!?そう言えばこの選手ドイツに来てはじめてプレーするんじゃない?」と質問すると「そうなんですよね〜」と軽い返事が返ってきました。

するとユニホームに着替えたソウヤにコウスケコーチは「ソウヤ!ヘディングだけ気をつけろよ」と優しく指示すると「はい」とソウヤは返事をすると、ヘッドギアを装着して今か今かとボールがピッチから出るのを待ち構えます。

それを見たヤギは「彼どうしたの?けがでもしているの?」と聞くと、コウスケコーチといっしょに遠征に来ていたGKコーチのケンタコーチが横から説明をしてくれました。

「実はソウヤは下手したら死んでたかもしれないんですよ。10月のある日にどうしても頭が痛くて翌日すぐ病院に行くと診断結果は頭蓋骨の病気ですぐ手術をしたんです。たまたま上級生の応援だった前日でしたが、もし応援ではなくサッカーをしていたら衝撃で取り返しのつかない状況になっていた可能性があったらしいんです。
幸い手術は成功したのですが、もちろんその時期にはドイツ遠征の参加も決定していて大切な頭の手術ということもあり、本人もコウスケコーチも半分諦めていた頃、ドイツ遠征の保護者説明会でソウヤのお父さんが参加する選手の親御さんやコーチ陣に『ソウヤをドイツに連れて行ってほしい。もし遠征中何かがあったら全て私が責任を取るのでお願いします』と言われて連れてきたんです。」

そんな説明を聞いているとそこで大豆戸FCに絶好のチャンスが訪れます。

相手ゴールまで約25mのところでフリーキックのチャンス。
そこですかさずケンタコーチがコウスケコーチに「ソウヤに蹴らせたら??」それを聞きながらコウスケコーチが「ソウヤ!」とキッカーの指示を与えます。

緊張が走る中、迷わずゴールを狙ったソウヤのパーフェクトキックがゴールに向かい「入った!」と思った瞬間、相手GKがスーパーファインセーブでかろうじて防ぎます。
しかし、大豆戸FWがそのこぼれ球を押し込み、なんと大豆戸FCがゴールをあげたのです!

本来なら得点をあげた選手にチームメイトが駆け寄るシーンですが、全員がキッカーのソウヤのところへ駆け寄ります。

「なんて良いチームなんだ。泣きそうなんだけど!」と思わず声が出てしまったヤギが、コウスケコーチに目をやると、そこには号泣しているコウスケコーチがいました。

親や友達よりもいっしょにいる日が多いコウスケコーチは当時、正直ドイツ遠征に連れて行くことを悩んだと。
2年間いっしょにサッカーをしてきたメンバーとドイツに行く機会なんて今後あり得ない。
ただ自分の子どものように触れ合ってきたソウヤに長時間のフライトは大丈夫なのか。しかも海外に行かせて何かが彼の身に起きてしまったらどうしよう。と。

ただ本人と親御さんの強い意志で連れて来たソウヤがチームに貴重な得点をもたらし、自分自身も復活をアピールしてくれたことと、それを誰よりも待ち望んでいた大豆戸FCの選手達がいっしょになって喜んでいたのを、自身の感動の涙で見ていることができなかったと後々話していました。

結果は負けてしまいましたが、大豆戸FCにとって試合結果以上に大きな収穫を得ることのできた忘れられない一戦となりました。

そんな大きく成長した大豆戸FCがその後ミラクルを起こすとはこの時は誰も予想してませんでした。
そのミラクルは、次回「大豆戸FCドイツ遠征ブログ」の最終回でお伝えします。

それではスポーツを楽しもう!