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2015年5月16日

2015.05.16    「散歩は彼女のためのものですから」

ライター
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スポーツの楽しさをお伝えするATHLEADブログ。

嬉々としてテレビを観ている二女(1歳)に、「ピアノ弾きたいのかな・・・?はい、どーじょ!」と鍵盤付きのおもちゃを無理やり渡しながら、自分で作詞作曲した「ピーナッツ」の歌を熱唱する長女(3歳)。

「お肉の歌は?」と聞いたら「そんなの知らない」と言い切り、またピーナッツの世界に戻っていきました。
パパ、家族みんなで「お肉の歌」を歌おうと、牧場に行く計画をしてたんだけどなー。泣。

長女に振り回されているオクです。

いやー、子どもって本当に自由!
そして好奇心もたくさん!
さらにたくましい!

毎日そんなことを感じていますが、この自由で好奇心旺盛な幼少期に、本当に大好きな、とことんのめり込めて、生涯を捧げてもいいって思えるほどの何かを見つけてくれたら、うれしいなー。
長女は、今この瞬間は「ピーナッツ」なのかなー。

さてと。

親が子どもに与える影響(?)は、イチロー選手のエピソードからも十二分にうかがい知ることができましたが、そんなエピソードが他にもたくさん。
今回は、元テニスプレーヤーの杉山愛選手の幼少期をご紹介したいと思います。

まず、杉山愛選手のプロフィールから。

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二人姉妹の長女として生まれる。

5歳になると体操・フュギュアスケート・クラシックバレエ等のレッスンに通い始める。
そして、さらにテニススクールに通うようになるとテニスに熱中、2つのスクールを掛け持ちするほどに。
その後、8歳で名門テニススクールの入学試験に合格し、本格的にテニスに打ち込むようになる。

頭角を表したのは、中学1年時。

全国選抜ジュニアテニス大会(14歳以下)で初優勝。
続いて、15歳で全日本ジュニア(18歳以下)で準優勝。
その後、世界のジュニア大会にも出場し、なんと、日本人初の世界ジュニアランキング(ITF)1位に。

17歳でプロ転向。
20歳で世界ランキング50位入りを果たす。

その後ダブルスで躍進。
25歳にダブルスでグランドスラム(全米オープン)優勝を果たし、世界ランキング1位に。

34歳、惜しまれながら現役引退。

WTA自己最高ランキングはシングルス8位、ダブルス1位。
グランドスラムシングルス連続出場のギネス記録を保持している。

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華々しい。

女子テニス界というと、今も現役で活躍している伊達公子選手にばかり注目がいきがちですが、何と言ってもダブルス世界ランキング1位という杉山選手のプロフィールは日本女子テニス界にとっても大きな功績です。

また、そんな杉山選手は25歳から母親芙紗子さんをコーチに迎え、その後二人三脚で歩んできたことでも有名。
しかし、最初の1年は「お互いが選手とコーチとして自立するのに時間がかかり葛藤があった。が、あの1年があって愛の長い競技人生につながったと思う」と芙紗子さんは当時を振返っています。

興味深いのは母親芙紗子さんが決してトップアスリートではなかったことです(テニスは夫婦そろっての趣味だったらしい)。
そして、そんな芙紗子さんが世界ランキング1位にまで上り詰めた杉山選手のコーチを務めたというのだから驚きです。

そこにはどんな関係があったのか?
コーチと選手、母と娘。

幼少期をのぞいてみると・・・。

歩くのも、言葉も、オムツが取れるのも早く、驚いたのは2歳になる前には、プールで一番高い飛び込み台からダイブしていたらしい。
その運動神経の良さは突出していて、周りが喜べば喜ぶ程、どんどんその豊かさを見せつけ、周囲を驚かせたといいます。
また親子でゲームをしていて娘が負けようものなら、小さな身体を震わせて悔しがったというのだから、幼い頃から、アスリートとしての気質は十分だったのがわかります。

芙紗子さんは大学では心理学を先攻、卒業後も研究室に残り、「幼児の言語学習過程におけるテレビの影響」をテーマに研究を続けたらしいのですが、その知識を自分の子どもに応用しようという考えはなかったといいます。
そして、運動神経豊かな娘に対して、芙紗子さんは「スポーツやゲームは楽しめば良いという考え方」を持っていたらしい。

とにかく、自分の子どもの表情や仕草を注意深く見つめたのです。

前回のブログでも簡単にお伝えしましたが、芙紗子さんは、散歩に行く時に娘がクツを履き終えるのに30分待ったといいます。
なぜ待ったのか?

「急ぐ必要はないなと思ってじっと待ち、手伝うことはしませんでした。だって、散歩は彼女のものですから。」

散歩は彼女のもの。

娘のためにと考え、散歩に連れていくわけですが、そんな風に思ったことは一度もないかもしれない。
僕なら「早く散歩に行こー、パパが手伝ってあげる」と言って、30分も待てない。
絶対に。

芙紗子さんは娘に対して、終始、そういう対応をしたのです。

次回はもっと掘り下げていきたいと思います。

今日はあいにくの雨。
でも今日もスポーツを楽しもう!

※詳しくは以前もご紹介した吉井妙子著「天才は親が作る」をご参照のこと。